ラロトンガでのダイビングスタイルは、ラグーンでの体験ダイビング以外は、
基本的にガイド付ボートダイブである。
ラグーン内から外洋に出るための水路が少ない上に、流れが速いときが多く、
長距離の水面移動が必要なため、ビーチエントリーでお客さまダイバーを連れ
ていくことはまずない。リスクが大きすぎて、ビジネスとして成り立たない。
しかしながら、遊びでダイビングするには全く問題ないわけで。
THE DIVE CENTRE 営業時間外に、スタッフのみでビーチダイブを試みた。
インストラクターのパトリック、ダイブマスターのリオンと、私の3人。
とっても気楽なメンバーである。
ダイブポイントは、「ルタキパッセージ」。いつもはボートダイブで潜るポイ
ントである。
運良くケーブまで到達できたら、クレイフィッシュ(イセエビ)を捕まえよう
という、甘い期待で、軍手とプラスチックバッグを持参。
べたなぎのコンディション、干潮時に合わせて、午後5時半頃に、いざエント
リー。
ラグーン内の透明度は10Mほどで、水路に沿って沖へ向かって泳ぐ。水路が
深くなるにつれて透明度は増し、水路の両脇の壁が水底から水面までそそりた
って、なかなかの景観である。ウミガメやマダラトビエイを見ながら、いつし
か見覚えのある景観に。どうやらケーブもそう遠くはないようである。
ケーブ到着。ここで、トーチを持参したのが私だけだと気づく。準備が甘い。
イセエビ捕りは今回のダイブの目的では決してないので、しょうがない。
しかしながら、ケーブに内で、トーチに照らされたイセエビの触覚を見た途端、
狩猟本能を刺激されたようで、もう、手ぶらでは帰られなくなってしまった。
軍手を装着し、イセエビの触覚をにぎって、穴から引っ張り出す。これが、想
像以上にすごい力で、うまくいかない。私はトーチ係りに専念し、力仕事は男
性陣にまかせた。せまいケーブに3人がひしめきあう。ここまで来たからには、
なんとしてもイセエビ捕りたい。
苦心の末、ようやく、1匹目のイセエビゲット!やった~!プラスチックバッ
グに無事捕獲。これが生命力かというほど元気で、バッグの中を跳ね回ってい
る。そうこうしているうちに、2匹目ゲット!バッグをそろっと空けた途端、
ものすごい勢いで捕獲済みの1匹目が飛び出した。「カナ!」と、ふたりから
お叱りの叫びを受けながら、リオンは逃げ出した1匹をうまくキャッチし、2
匹同時にバッグに入れようとするもうまくいかず、結局1匹には完全に逃げら
れた。やはり、中途半端な装備では、中途半端な漁しかできないようである。
引っ張って、引っ張って、もう少し!のところで触覚がポキンっと折れて逃げ
られたり、捕まえてからも、バッグに入れる前に逃げられたり。。。結局、浜
まで持って帰ったのは1匹だけ。
狭いケーブでイセエビの棲む小さな穴で、パトリックの腕は擦れて傷だらけに
なっていた。水中では漁に必死で気がつかなかった。イセエビは、パトリック
にプレゼント。フランス人の母を持つグルメなパトリック、イセエビをどのよ
うに調理して堪能したのだろうか?