南の島に行くと、特に遠浅の海の海中にごろごろ転がっている海のウ○コ、
なまこ。
見た目の醜さのため、人々は敬遠するが、なまこは実に無害で平和的な
生き物である。誤ってなまこを踏んでしまった時、なまこが何やら
白い粘着質の物体を体から出して、それが自分の足に絡み付いて
身の毛のよだつ思いがした・・・という経験はありませんか?
この、「粘着質の物体」とは、実になまこの内臓である。
なまこは敵に会うとその内臓を口から吐き出す。
なまこの攻撃・・・というよりは、敵を驚かす、もしくは、内臓を敵に食べさせて
満足させるらしい。
なんて自虐的な・・・と思うなかれ、なまこは海水につかってると、
また内蔵が再生するのだ。トカゲの尻尾や、カニのハサミの様に。
クック諸島ラロトンガのラグーンにも、なまこはごろごろいる。
種類も豊富である。
そして、クック諸島ローカルも、なまこを食べる。
日本では、なまこの身はもちろん、珍味「このわた」(なまこの腸)、
「くちこ」(なまこの卵巣の干物)等、日常的ではないまでも、
いわゆる(どちらかというと高級)’シーフード’であるが、
ローカルにとっては、ラグーンで簡単に採取できる、経済的な日常フードである。
ラロトンガのなまこの旬は、夏。1年中ラグーンに転がっているが、食べられる時期
は限られている。食べられるのは、なまこの身ではなく、どうやらなまこの卵巣らし
い。
繁殖期のメスのなまこしか食べられないのである。
日本でいうと珍味「このこ」の生版?といったところだろうか。
なまこの卵巣、見た目はソーメンそのもので、それにちなんで、
なまこは別名「スパゲティフィッシュ」とも呼ばれている。
味は、まさに海の味。食感はもずくに似ている。
ふかしバナナに巻きつけて食べるのがラロトンガ流らしい。
日本酒が好きな日本人なら、真水で洗ってから三杯酢と
日本酒でいただくと、かなりイケル珍味だと思うのだが。
(残念ながら、まだこの方法は試したことはない。)
ところで、当然なまこのオスメス判別は不可能で、
腹を割いてみるまではわからない。
オスの腹を割いてもソーメンは出てこず、代わりに赤い体液を出す。
(血液ではない。)
前述の通り、なまこの身体は再生可能なので、そのまま海に放っておけ
ば、ちゃんと元通り再生するのである。なまこは、
素晴らしいリサイクルフードなのである。